⏰ 調理時間60分(湯煎30〜40分含む)
🍽 2人分
🍺 しっとり・ごちそう
🧊 作り置き:冷蔵3日OK
📊 1人分(推定):約660kcal/たんぱく質40g・脂質22g・糖質78g
🍽 全量(2人分):約1320kcal/たんぱく質80g・脂質44g・糖質156g
牛のかたまり肉に焼き目をつけて、60℃の湯で30〜40分。それだけで、店のようなローストビーフになります。火加減ではなく、温度で決まる料理です。
材料(2人分)
- 牛もも肉(かたまり):300g
- 温かいごはん:400g
- 卵黄:2個
- バター:10g
- サラダ油:小さじ1
- 塩:小さじ1/2
- 粗挽き黒こしょう:適量
- クレソンまたは小ネギ:適量
- 【A・たれ】醤油:大さじ2
- 【A・たれ】酒:大さじ4
- 【A・たれ】みりん:大さじ4
- 【A・たれ】赤ワイン:大さじ2
- 【A・たれ】すりおろし玉ねぎ:1/4個分
- 【A・たれ】おろしにんにく:小さじ1
作り方
- 牛肉は調理の30分前に冷蔵庫から出して常温に戻し、水分を拭き取って全体に塩をすり込む(★冷たいままだと中心まで温度が届きません)。
- フライパンに油を熱し、全面に強火で焼き目をつける(各面1分ほど。中まで火を通さない)。
- ジッパー付き袋に入れて空気を抜き、60℃の湯に30〜40分浸ける(★理由は下の🔬で。湯の温度が下がったら熱湯を足す)。
- 袋ごと取り出して冷まし、薄く切る。
- 肉を焼いたフライパンに【A】を入れて、半量になるまで煮詰め、火を止めてバターを加える。
- 器にごはんを盛り、ローストビーフを並べ、たれをかける。中央に卵黄を落とし、黒こしょうとクレソンを添える。
おいしさのヒミツ
- 常温に戻す。冷たいままだと中心に熱が届きません
- 焼き目は表面だけ。中に火を通すのは湯煎の仕事です
- 冷ましてから切る。熱いうちに切ると肉汁が流れ出ます
よくある質問
温度計がありません
沸騰した湯と水を1:1で混ぜると、おおよそ55〜60℃になります。指を入れて「熱いが数秒なら我慢できる」程度が目安。心配なら時間を長めに(50分)してください——60℃なら、長く置いても硬くなりません。
生っぽくて不安です
中心が赤いのは正常ですが、気になる場合は65℃で40分にしてください(ミディアムに近づきます)。牛肉は表面を焼けば、内部の菌はほぼ問題になりません(豚肉や鶏肉とは違います)。
どのくらい日持ちしますか?
冷蔵で3日ほど。切らずに塊のまま保存すると、乾燥しにくくなります。たれは冷蔵5日。翌日のほうが味がなじんでおいしいという人もいます。
合うお酒
牛肉と赤ワインのたれ、卵黄。ごちそう感のある丼です。
- 🏆 本命:赤ワインは、フルボディを16〜18℃で——牛肉と赤ワインは、正面から向き合う組み合わせです
- 🍺 キンキンに冷えたビール——たれの甘辛さを炭酸で切りたいときに
- 🥃 ハイボールは、ウイスキー1:強炭酸4——脂を切りながら食べたいときに
迷ったら赤ワイン。手間をかけた日は、酒も少し良いものを。
ぴーきちのつぶやき
低温調理は特別な機械が要ると思っていたのですが、鍋と湯とジッパー袋でできると知って、家で作るようになりました。今日もお疲れ様です🍻
🔬 調理科学ことば:低温調理(60℃で肉がやわらかくなる理由)
ひとことで:肉は温度が上がるほど強く縮む。60℃前後を保つと、火は通るが縮みが少なく、やわらかいまま仕上がる。
詳しく:肉のやわらかさは「たんぱく質がどれだけ縮んだか」で決まります。段階を追うとこうです。
①50℃前後=変性が始まる。
②60〜65℃=目に見えて縮み始める。
③65℃以上=縮みながら水分を絞り出す(雑巾を絞るイメージ)。
④70℃を超えると、一気に硬くパサつく。つまり「火は通っているが、縮みは最小限」という温度帯が55〜60℃——ここを長く保つのが低温調理です。もうひとつの利点が「均一に火が入る」こと。フライパンで焼くと、外側は80℃以上、中心はまだ40℃という状態になります。
60℃の湯に長く浸ければ、全体が60℃で揃う——だから断面が一様なピンク色になる。安全面では「温度×時間」で考えます——低い温度でも、長く保てば殺菌される(60℃なら30分以上が目安)。ただし、これは表面を焼いた牛のかたまり肉の話。
ひき肉・鶏肉・豚肉は内部まで菌がいる可能性があるので、中心までしっかり加熱してください。
このレシピでは:この料理は「表面を焼く」と「60℃の湯煎」で役割が完全に分かれています。焼くのは香ばしさ(メイラード反応)のため、湯煎は火入れのため。だから焼き目は各面1分で十分——長く焼くと、その部分だけ縮んで硬くなります。「香ばしさは表面、火入れは温度」——この分業がわかると、ステーキも鶏ハムも仕上がりが変わります。

