⏰ 調理時間20分
🍽 2人分
🍺 体が温まる・肉なし
🧊 作り置き:冷蔵3日OK
📊 1人分(推定):約110kcal/たんぱく質4g・脂質7g・糖質6g
🍽 全量(2人分):約210kcal/たんぱく質8g・脂質14g・糖質12g
きのこと根菜をごま油で炒めてから煮ます。肉を使いません——それでもコクが出るのは、炒める工程ときのこのうま味があるからです。
材料(2人分)
- しめじ・まいたけなど:150g
- 大根:50g
- にんじん:20g
- 長ねぎ:1/2本
- ごま油:大さじ1
- 小ネギ(小口切り):適量
- 【A】水:400ml
- 【A】顆粒和風だし:小さじ2
- 【B】醤油:大さじ1
- 【B】みりん:小さじ1
- 【B】塩:少々
作り方
- きのこは石づきを落として手でほぐす(★洗いません)。大根とにんじんは薄いいちょう切り、長ねぎは1cm幅の斜め切りにする。
- 鍋にごま油を熱し、大根・にんじん・きのこを中火で3分炒める(★理由は下の🔬で)。
- 【A】を加えて煮立て、弱めの中火で7分煮る。
- 長ねぎと【B】を加えて2分煮る。
- 器に盛り、小ネギを散らす。
おいしさのヒミツ
- 先にごま油で炒める。これがけんちん汁の骨格で、肉なしでもコクが出ます
- きのこは洗わない。水を吸うと香りが薄まります
- きのこは2種類以上。うま味の種類が増えて、味に厚みが出ます
よくある質問
豚汁と何が違いますか?
けんちん汁はもともと肉を使いません(下の🔬で)。豚汁=豚肉と味噌、けんちん汁=野菜と豆腐、醤油仕立て。どちらも「先に炒める」のは共通ですが、けんちん汁はごま油で炒めることでコクを出しています。
豆腐を入れてもいいですか?
むしろ本来は入ります。木綿豆腐1/2丁を手でちぎって、手順2で一緒に炒めてください。ちぎると断面が増えて、味がよく入ります。
どのくらい日持ちしますか?
冷蔵で3日ほど。翌日のほうが味がなじみます。冷凍なら3週間。朝に温めるだけで一品になるので、作り置きとして便利です。
合うお酒
ごま油ときのこ、醤油。やさしい和の汁物です。
- 🏆 本命:日本酒は、ぬる燗(40℃前後)で純米酒——温かい汁物には燗酒。きのこのうま味と米の酒がつながります
- 🍺 キンキンに冷えたビール——ごま油の香りには炭酸も
- 🍶 焼酎なら、麦焼酎のお湯割り(焼酎6:お湯4)——温かい汁物には温かい酒
迷ったらぬる燗。汁物が一杯あるだけで、食卓が整います。
ぴーきちのつぶやき
けんちん汁に肉が入らないと知ったとき、じゃああのコクは何だろうと思ったのですが、ごま油で炒める工程でした。今日もお疲れ様です🍻
🔬 調理科学ことば:けんちん汁は精進料理(肉も魚も使わない)
ひとことで:けんちん汁はお寺で生まれた汁物。肉も魚も使わないので、ごま油で炒めてコクを出す。
詳しく:けんちん汁は、鎌倉の建長寺(けんちょうじ)で作られていた汁物が名前の由来とされます(「建長汁」がなまったという説)。お寺の料理=精進料理なので、肉も魚も、かつおだしも使いません。だしは昆布や干ししいたけ。ここでコクをどう出すかという問題が生じます。
答えが「ごま油で炒める」。油脂が入ると、汁にコクと厚みが出る——肉の脂の代わりを、ごま油が果たしているわけです。そして「豆腐を崩して入れる」のも特徴で、これも植物性のたんぱく質でボリュームを補う工夫。豚汁との違いを整理すると——けんちん汁=肉なし・醤油仕立て・ごま油で炒める。
豚汁=豚肉あり・味噌仕立て。ただし現代では肉入りのけんちん汁も普通にあります——由来を知ったうえで、自由に作ればよいという話です。
このレシピでは:この料理が肉なしでも物足りなくないのは、2つの理由があります。
①ごま油で炒めることで、油脂のコクが入る。
②きのこのうま味(グアニル酸)が、だしのうま味と重なる。だから「炒める」工程は省けません——いきなり煮ると、ただの野菜スープになります。「肉を使わない汁物は、油で炒めてコクを作る」。精進料理から生まれた、合理的な工夫です。

