「コクが足りない」「なんか物足りない」。塩は足りているはずなのに決まらない——そういうときに足りないのが旨味です。
旨味は難しそうに聞こえますが、家でやることは3つしかありません。旨味のある材料を使う。組み合わせる。煮詰める。それだけです。
旨味は「掛け算」で増えます
★これが旨味のいちばん面白いところです。
種類の違う旨味を組み合わせると、足し算ではなく跳ね上がります。1+1が2ではなく、もっと大きくなる。
和食の「合わせだし」がまさにこれです。昆布とかつお節を両方使うのは、単に贅沢だからではなく、組み合わせたほうが圧倒的に濃くなるからです。
旨味のある材料を、3つのグループで覚える
| グループ | 代表的なもの |
| A(海藻・野菜系) | 昆布/トマト/たまねぎ/白菜/チーズ/醤油・味噌 |
| B(肉・魚系) | かつお節/煮干し/豚肉/鶏肉/魚介 |
| C(きのこ系) | 干ししいたけ/きのこ類 |
★違うグループから2つ以上使う。これだけです。
- 昆布(A)× かつお節(B)……和食のだし
- トマト(A)× ひき肉(B)……ミートソース
- たまねぎ(A)× 鶏肉(B)……カレーの土台
- トマト(A)× きのこ(C)……火を使わなくても濃くなる組み合わせ
- チーズ(A)× ベーコン(B)……これだけで味が決まる
うちの厚切りしいたけと粗挽き肉のボロネーゼは、AとBとCが全部入っています。だしを使っていないのに濃いのはこのためです。
煮詰めると、旨味は濃くなります
水を飛ばせば、残ったものの濃度が上がります。当たり前のようですが、これが一番確実な方法です。
スープやソースが「薄いな」と思ったら、調味料を足す前に、まず煮詰めてみてください。味が濃くなるだけでなく、とろみもついて絡みがよくなります。
⚠️ ただし塩気も一緒に濃くなります。煮詰める前提なら、塩は最後に。
家ですぐできる、旨味の足し方
- 粉チーズをひとつまみ……和食以外なら、たいてい合います
- 干ししいたけを砕いて入れる……戻さなくても、煮込みなら効きます
- トマト缶やケチャップを少し……洋風の煮込みが一気に決まります
- 白だし・めんつゆ……手軽ですが塩も一緒に入ります。塩を減らしてください
- ベーコン・ちくわ・ツナ缶……旨味と塩の両方が入った便利な材料
うちの明太バター豆乳そうめんで昆布茶を隠し味に使っているのも、これと同じ考え方です。
旨味が足りると、塩が減らせます
★旨味がしっかりある料理は、塩が少なくても満足できます。
「味が決まらないから塩を足す」を繰り返して、気づいたらしょっぱいだけになっていた——という失敗は、足りないものを取り違えているのが原因です。
塩の話は塩の教科書にまとめています。
こうなっちゃうときは
- 塩を足しても決まらない……足りないのは旨味です。上の材料をどれか足してみてください
- スープが薄い……調味料の前に、煮詰めてみてください
- 煮詰めたらしょっぱくなった……塩は煮詰めたあとに入れます
- だしを取るのが面倒……取らなくて大丈夫です。旨味のある材料を2グループから使えば同じことが起きます



