味見をして「あ、やってしまった」と思ったとき。だいたい直せます。
味にはお互いを打ち消し合う関係があって、それを使うと戻せるからです。捨てる前にこのページを開いてください。
まず知っておくこと:味は打ち消し合う
★甘味は、酸味・苦味・辛味を弱めます。そして逆に、酸味は甘味を弱めます。
レモンにはちみつを入れると酸っぱさが和らぐ。コーヒーに砂糖を入れると苦さが和らぐ。甘すぎるものにレモンを搾ると締まる。——これが全部、同じ仕組みです。
この関係を知っていれば、失敗の直し方は自分で組み立てられます。
しょっぱくなった
いちばん多い失敗です。順番に試してください。
- ① かさを増やす……水・だし・牛乳・トマト缶などを足して薄める。これが一番確実です
- ② 具を足す……じゃがいも・豆腐・野菜など、味のついていないものを入れる。汁を吸ってくれます
- ③ 酸味を足す……酢やレモンを少し。塩気の角が取れます
- ④ 甘味を足す……砂糖やみりんを少し。ただし入れすぎると別の失敗になります
- ⑤ 油を足す……バターやごま油をひとかけ。舌に膜ができて、塩気を感じにくくなります
⚠️ よく言われる「じゃがいもを入れると塩を吸う」は、正確には「かさが増えて薄まる」です。どちらにせよ効くので、やって大丈夫です。
炒め物がしょっぱいとき
水で薄められないので、具を足すのが基本です。もやし・キャベツ・豆腐など、火の通りが早くて味のないものを追加してください。
酸っぱすぎた
- 砂糖・みりん・はちみつを少し……甘味が酸味を和らげます。いちばん効きます
- 油・バターを足す……まろやかになります
- 加熱する……酢の酸味は加熱すると飛びます。煮込み料理なら少し煮てください
甘すぎた
- 酸味を足す……酢・レモン・トマト。甘味と酸味はお互いを打ち消します
- 塩を少し……ほんの少しで、甘さが引き締まります
- 辛味を足す……こしょう・唐辛子。甘さが後ろに下がります
辛すぎた
- 乳製品を足す……牛乳・生クリーム・ヨーグルト・チーズ。辛味には乳製品が一番効きます
- 砂糖を少し……甘味が辛味を弱めます
- かさを増やす……水や具を足して薄める
★カレーが辛すぎたときにヨーグルトや牛乳を入れるのは、これです。
苦い・えぐい
- 甘味を足す……苦味も甘味で和らぎます
- 油を足す……えぐみが気にならなくなります
- 焦げの苦味だけは戻せません……焦げた部分を取り除くのが唯一の方法です
味がぼやける・決まらない
これは「直す」というより「足りない」パターンです。
- まず塩……9割これです。ひとつまみずつ(塩の教科書)
- 次に旨味……塩を足しても決まらないなら旨味不足です(旨味の教科書)
- 酸味をひとしずく……レモンや酢を数滴。味に輪郭が出ます
- 香りを足す……黒こしょう・ごま油・にんにく。味ではなく香りが足りないこともあります
やってしまう前に
- 調味料は少なめから。足すのは簡単、引くのは大変です
- 味見は冷ましてから。熱いと塩気を感じにくく、必ず入れすぎます
- 味見は2〜3回。ひと口目と三口目では感じ方が違います
- 煮詰める料理は、塩を最後に。煮詰めると濃くなります



